最近気になっているエネルギーセクターの解析。
こちらの記事で書いたのですが、BANPUってちょっと危ないんじゃないの?というのを今回詳しく見ていこうと思います。
結論ざっくりまとめ
BANPUですが、コロナショックで赤字転落。
ROE, ROAともに低く薄利多売で資本を活かせていないビジネスモデルと経営層。
という判断です。
この会社に対して長期保有している方がいれば、ぜひ売却し銘柄変更を検討してみてはいかがでしょうか。
では、その理由について見ていこうと思います。
財務諸表まとめ

財務諸表の比較に当たり、生データをこちらから入手しています。
前回のPTG同様、ブロック図にしてみます。
そしてこれを売上を基準値として100において、割合表示化。
こうなりますと。
これ見ると、え、BANPU、そんなに悪くなくない!?という第一印象。
前回調べたPTGがこちらで、
PTGの直前四半期粗利率はが9%。
それに比べて、BANPUは粗利率26%で順利率は10%の二桁キープ。
これは、同業種においては、なかなか素晴らしいと言えるんじゃないだろうか。
ということで、ちょっと期待しつつ更に細かく分析をするために財務諸表をもう少し細かく見てみます。
次に、財務データと統計データを4年分及び直近四半期データの合計5つのデータで比較してみます。
財務データ可視化

こちらが、過去4年の財務データまとめになります。
2019年度中から2020年度にかけて赤字だったことも有り、
P/Eが2020年度N/Aで数字出ないんですよね。
時系列に見ると、2019年度、2020年度はぎりぎり黒字にできなかった!という感じに見えますね。
毎年70億バーツ前後の黒字だったところが、2019年度、2020年度においては5億バーツ、17億バーツの赤字。
18-19年度にかけて売上が約200億バーツ減。
19-20年度にかけて売上は更に約200億バーツ減。
粗利率がだいたい30%程度あったと仮定すると、18年度から比較して20年度は120億バーツ失ったことになります。(*400億バーツの30%)
資産も減っているので、持ち出しで頑張った、というように見えますね。
結論として、まずは正確に比較はできないのですが、とりあえず赤字ということで評価としては良くない状況であることに変わりはないです。
ただし、直近四半期は黒転していますし、良い兆しは見えてきているものの注視が必要ですね。
このまま単純4倍計算で2021年計上できると、2018年度の利益ベースの届くこととなります。
そう過程すると、比較検討すべきは18年度のデータということになります。
となれば、18年度のPERが10前後というのは、あら割安、という判断も未来予想としてはできると思います。
統計データ可視化

次に、過去4年の統計データまとめになります。
19年、20年は判断材料にできない、ということを加味すると見るべきは18年度かなと思います。
まず18年度を全四半期結果と比較すると、純利率で17-18年度水準に合致します。
とすると、比較すべきは財務データの分析同様、17-18年度が適切と思います。
指標を確認すると、ROEは10前後。ROAも同程度で推移。
という結果から、特記すべきこともない”普通”にありがちなデータでした。
ROEとROAの両方が低いので、薄利多売的なビジネスモデルでありかつ資金効率も悪い状態。
配当は4%超と先に調べたPTGより高いです。
ただし、配当を期待することは長期保有する、ということになるため、見るべきは、”長期保有する価値有る銘柄か・・・?”
という点ですよね。
そういう視点でいうと、
景気に影響されやすい。
コロナショックから立ち直る同業他社がいる中で、同社は未だ立ち直れていない。
そもそもコロナショック関係なしに、ROEもROAも低いため経営状況として良くない。
ゆえに、”長期保有するに値しない”と私は思います。
まとめ
長期保有、塩漬けしている方がいらっしゃれば、ぜひ利確するなりポジションを保有し続けることをやめましょう。
この会社よりも、より良い資源セクターの会社はあります。
先にご紹介したPTGもそうですし、より安定的で将来性の高い会社はあります。
無理してこの会社に入れ込む点は、現時点ではないかなぁと思います。
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