この頃、わたしは開国に合わせて輸送系が上がるんじゃないかなぁと今か今かとタイミングを見ています。
見ているだけで、手が出ていません。笑
そんな状態なので、時間が有るので輸送株について狙いを絞るべくどこがいいのか、比較してみようと思います。
この記事は
- この記事を読むと、タイ国内運輸業での有力株がわかります。
- この記事は、タイ国内の運輸業における株式市場の状況を調査したい方向けです。
調査対象企業一覧
この記事では、以下に上げるすべての銘柄をチェックしています。
Symbol | 会社名 | 事業概要 |
NOK | NOK AIRLINES PUBLIC COMPANY LIMITED | ノックエアー。航空会社 |
RCL | REGIONAL CONTAINER LINES PUBLIC COMPANY LIMITED | コンテナ船、ロジスティクス事業 |
TTA | THORESEN THAI AGENCIES PUBLIC COMPANY LIMITED | 投資、海運、オフショアサービス、農薬、食品 |
BA | BANGKOK AIRWAYS PUBLIC COMPANY LIMITED | バンコク航空。航空会社 |
PSL | PRECIOUS SHIPPING PUBLIC COMPANY LIMITED | 海運船舶。農産物、鉄鋼、肥料、鉱石、濃縮物、丸太、コークス等 |
AAV | ASIA AVIATION PUBLIC COMPANY LIMITED | エアアジア。航空会社 |
BTS | BTS GROUP HOLDINGS PUBLIC COMPANY LIMITED | いわずもがなBTS。電車。 |
BEM | BANGKOK EXPRESSWAY AND METRO PUBLIC COMPANY LIMITED | MRT。地下鉄、高速道路 |
WICE | WICE LOGISTICS PUBLIC COMPANY LIMITED | 海上貨物および航空貨物、陸上輸送による輸出入 |
ASIMAR | ASIAN MARINE SERVICES PUBLIC COMPANY LIMITED | 船舶修理、改造、造船、エンジニアリング作業 |
JUTHA | JUTHA MARITIME PUBLIC COMPANY LIMITED | 海上輸送、国際定期船、船舶メンテナンス等 |
TSTE | THAI SUGAR TERMINAL PUBLIC COMPANY LIMITED | 砂糖および特定の農産物の輸送および輸送サービス |
JWD | JWD INFOLOGISTICS PUBLIC COMPANY LIMITED | ロジスティクス |
AOT | AIRPORTS OF THAILAND PUBLIC COMPANY LIMITED | 空港事業 |
結論ざっくりまとめ
RCLの実績が素晴らしいと結論づけました。
続いて好調な点が伺える企業が、WICEでした。
この2社は、資金ができ次第優先的に超長期保有できる優良銘柄と思います。
その他では、細かく調べたいな!と感じる企業がもう一社あり、そちらはASIMARになります。
事業概要が面白く、海運メンテナンスという特殊需要が見込めそうな企業です。
この企業は、今後の需要で食料輸送に拍車が掛かると上がるのではないかと考えています。
最も、特需がなくても現在の経済不況下で黒字経営できており、安心感も有ります。
端的に評価すると、
RCL:不況不景気から復帰組。黒字化済みで高ROE&ROA。
WICE:不況不景気全く影響なし組。万年黒字経営でどっしり安心感高い。
ASIMAR:ニッチな船舶メンテナンス業を行う。不況不景気期間中も赤字計上はなし。
この3社は、長期保有で下がる傾向を予想することがちょっとむずかしいかなぁと思います。
Graph1. 各社毎の純利益と税引前利益、株主資本、Net Profit。

次に、財務諸表のチェックです。
いつもながら、私は財務諸表の比較に当たり、生データをこちらから入手しています。
ご確認ください。
まず、こちら2019年度の財務データです。
なお、BTSのみ期初が4月なので (01/04/ - 31/03/)” の1年間のチェックになっており、後に掲載します直近四半期の比較グラフは、ちょうど2020年4月から2021年3月末までの1年分の決算データとなっております。
比較がしづらいですが、ご了承ください。

2019年度の会計資料は、不況不景気前の業績ですね。
ということで、RCL, PSL, AAV, NOK, JUTHAが通常運転からして赤字であった、ということがわかります。
ノックエアーは経営破綻して会社更生申請請してるくらいなので、まぁ良い訳はないですね。
高速道路が有るにしても、BEMがBTSのほぼ約2倍純利が有るとは驚き。
続きまして、2020年度データがこちら。

昨年に続きPSL, AAV, NOK, JUTHA が赤字。
これはまぁ当然といってしまえば当然でしょうか。
ここで謎が生まれるのですが、RCLが黒転しているんですね。
こういう発見が、めちゃめちゃ楽しいです。笑
なんで最悪の業界に属するRCLが、最悪の一年間の決算で黒字であるのか。。。!
ちゃんと今度調べましょう。
そして、赤字に転落した企業は、TTA, BA, が増えました。
TTAが謎ですね。
海運と投資、農業系、ということでそこまで不況不景気が派生するように思えない。
むしろ食料輸出入で海運は少ないパイになっても動くはずなので、影響度は極大ではないと思うんですが、赤字になってしまっています。
バンコクエアウェイズはまぁ仕方ないでしょうかね。
外出控えがモロに出た感じでしょうか。
そして、2021年直近四半期はどうなっていたかというと、
(*上記でも触れましたが、BTSは期末が3月末で過ぎたため年次決算結果となっています。そのため数字がたと比べて単純比較4倍になっているような感じです。)

昨年、一昨年に続き, AAV, NOK, JUTHA が赤字。
NOKはそれは経営破綻しますね。不況不景気関係ないでしょう実際。と言いたい。
こうしてみると、AAVも危なそうですね。
エアアジア株を持っている方は処分しておいてもいいかもしれません。
不況不景気が予定通り回復の貴重になってきても、体質として赤字経営に変化はないようです。
更に、もし万が一開国の流れが長引くような場合には、最悪の場合タイ国際航空、ノックエアーと同様の道をたどってもこれは全くもっておかしくないですね。
JUTHAも、、、苦労しているようです。
もともと企業規模はそこまで大きく有りませんが、どうしても黒字になりません。
海運並びに船舶のメンテナンス事業もやっているようなので、船舶が動いていないからオーダーがない、という状況が考えられますね。
更には、定期船運行国の中に日本が入っていますね。。。
日本が開国にながびいいている、ということが一つ理由としてあげられそうです。
でもこの会社は逆に不況不景気が払拭されたら船は間違いなく海運業として各社動くので、特需があってもおかしくないですね。
要チェックです。
PSLは黒字転換!
固定費と変動費の削減に勤しんだんでしょう。
素晴らしい企業努力と思います。
そして一番残念なのが、AOTですね。
19年40億バーツ黒字、20年100億バーツ黒字と連続黒字計上だったのに、ここにきて21年第一クオーターはなんとこの四半期だけで70億バーツ赤字でした。
前年比マイナス170億バーツですね。。
これはなにか支払いが次年度に回る買掛が有る、売掛が回収できずに損金処理した、などなにか特殊な要因を感じます。
でなければ20年の黒字もちょっと信じられないですし、そろそろ動き出してきたかな?と感じる今期にいきなりこれだけの赤字になることも考えられないです。
ということで、支払いのタームがおかしい、なにか大きな損が出ている、詳細はわかりませんが、周りが黒字に回復してきているこの時期にいきなり赤字計上になりました。
ということで、次の四半期もちゃんとチェックする必要があります。
もっとも、第二クオーターも赤字であったら、支払いサイトや回収サイトに特殊性が有ると確信が持てます。
そうなると、21年度中はずっと赤字になりさらに22年中まで引っぱる可能性もありますので、要注意です。
注視してみていったほうがいい銘柄かなと思います。
続きましては、各社の統計データ分析になります。
ここからは黒字でないと意味をなさないデータなので、通年黒字を維持し続けた企業、及び不況不景気を耐えた企業だけ注視します。
Graph2. 各社毎のROEとROA, EPS

2019年グラフですが、こちら。
注視すべき企業は、以下になります。(*過去2年間黒字、直近四半期黒字のため。)
BTS, BEM, WICE, ASIMAR, TSTE, JWD、そして19年の赤字から復活したRCL。
こうしてみると、同業界14社中で7社も黒字維持なんて素晴らしいですね。
BEMがいいですね、あとはJWDでしょうか。
ROEが10%超でROAも底まで低く有りません。
TSTEはROEとROAの乖離が極端に少ないです。
借り入れや運転資金に対する自己純資産の比率が高いことがわかります。
この会社は安泰っぽいですね。
続いて、WICE, BTSの順でしょうか。

次に2020年度です。

WICEが素晴らしいですね、際立って指標の高さが目に付きます。
RCLも赤字から黒字に転換した年度ですし、素晴らしい結果です。
ただ、ROEが高くROAがついてきてないので、ちょっと負債の量を確認したいかな、という感じ。
次に直前四半期です。(*こちらも、BTSは通期決算結果になっており、四半期の財務結果ではないです。)

ここまで見ると、一発でわかりますね。
タイの輸送業において、直近数年間で見るべきはRCLとWICEで間違いないと思います。
WICEは毎年黒字計上であることを証明するように、ROEとROAの乖離が小さい優良企業と判断できます。
RCLは19年から20年にかけて黒字転換できたこと、その後20年からはROEが高くROAも他社との絶対比較では低い数字ではない有料株とわかります。
この2社は、割安になったタイミングでぜひ長期保有株式の銘柄に加えたいですね。
素晴らしい企業だと思います。
そして最後に、負債の割合を確認して終わりたいと思います。
Graph3. 各社毎の負債合計と負債返済理論年数

2019年度状況こちらです。


ここでも、RCLとWICEに絞ってみていきます。
どちらも、負債総額は純利益約5年分と申し分ない経営状態ですね。。。
素晴らしいです。
20年度はというと、
RCLもWICEも、負債が増えたわけではなく純利益が減ったため相対的に見て負債割合が純利益に対して大きくなったように見えています。
ですが、負債の絶対値はほとんど変化ないので、底まで問題視すべき内容ではないように思います。

そして直近四半期。
RCL, WICEともに負債を増やした傾向も見えません。
この2社は、不況不景気後のタイ企業の中で輸送業ナンバー1、2になり得る伸びを誇りそうな2社だと感じます。
細かくぜひ財務諸表を確認され、割安な状況が来たらぜひ株式を取得検討したいと思います。
まとめ
今回は、RCL, WICEという2社を発見できました。
この2社は、いずれも海運業ではありますが今後に期待できると強く感じます。
あとは海運が盛んになる頃を見定めて、JUTHAでしょうか。
でも、JUTHAはずっと赤字なので。。。
狙うなら、ASIMARも海運メンテナンス事業やってるようなので、私はこちらかなぁと思います。
ぜひ、皆様もご自身でチェックしてみてください!
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